京都・関西への学外研修2026

関西と関東を隔年で見学する「学外研修」を8月23日~25日の3日間で開催しました。
今年の研修は「京都」平安時代から昭和の名庭とまちをめぐります。今年は西川先生の希望もあり神戸と大阪にも足を伸ばしてみました。昨年の学外研修は東京。江戸時代の回遊式庭園をはじめ明治時代に誕生した日比谷公園や大正期につくられた明治神宮、そして現代の最先端の緑化技術、デザインを
研修では実際に庭園や公園を管理する庭師さんや造園会社、お寺の方、さらにはまちづくりに関わる行政やプランナー・デザイナーにも直接お会いし、お話しを伺う機会もあり、これから社会に羽ばたく学生にとっては大変貴重な機会になりました。

最初の見学地は恒例になった、東福寺方丈庭園と東福寺開山堂です。方丈庭園は東西南北の庭から構成された昭和の作庭家重森三玲の代表作です。重森三玲は最初画家になることを目指していましたが健康上の理由で画家の道をあきらめ、様々な芸術の道を模索し、作庭家として名を馳せます。もともと画家を目指していた三玲ならではの平面デザインが非常にグラフィカルですね。三玲の名のもとになったジャン=フランソワ・ミレーの絵画は優しい曲線的ですけど、東福寺の庭園は非常に直線的だなと思います。
通天橋は時代劇にもよく登場しますよね(東福寺の方丈もよく映画などに登場します。)。みんなで記念撮影しあいながら開山堂までを見学しました。

昭和の名庭から、平安時代の浄土式庭園の代表、平等院へ。
10円玉に描かれている平等院鳳凰堂。日本人であれば誰しも知る建築です。平安時代末期の末法思想のもと貴族たちは仏像や寺院そしてそれを取り巻く庭園・ランドスケープで極楽浄土を現世に描き、死後も極楽浄土へ生まれ変わりたいと願います。
平等院は藤原頼通によって阿弥陀如来を中心とした、鳳凰堂とその周囲を取り巻くランドスケープで極楽浄土を作り出しています。学生たちも猛暑の中で極楽浄土の世界を体験しました。

夕食・交流会そしてミーティング

宇治から京都駅に戻り、豪華な夕食へ。夕食へは卒業生や京都の関係企業さんも参加して交流会に。半日でしたが体温を超えるような猛暑の中、たくさん歩いて最初は疲れたーって感じでしたがブッフェでおいしいものをお腹いっぱい食べ、先輩や企業さんたちといろいろな話で盛り上がりました。この後、ホテルに帰ってみんな熟睡だったそうです。

2日目も猛暑、学生たちは朝早くからとても元気にしっかり朝食を食べて研修に出かけて行きました。2日目は班での自由研修。5つの班ごとに計画した庭園や公園、まちを歩きます。
学生の行動の詳細はインスタグラムから
https://www.instagram.com/nishi._.ryoku/?hl=ja

まずは朝食!!
西川先生のセッティングは常においしいものでお腹いっぱい。好き嫌い関係なく食べれるブッフェでエネルギーをチャージしてみんな元気に出かけていきました。

東遊園地@神戸

神戸市で2023年にP-PFI(公募設置管理制度)を活用してリニューアルした東遊園地へ。ちょうど昨年開園150年を迎えた東遊園地ですが、神戸市の中心地の再開発とも連動し、にぎわい創出や都市の回遊性を作り出すために再整備が進められていました。
今回は2年生は小学校跡地のリノベーションで生まれたネイチャースタジオも見学し、午後から東遊園地で1年生、西川先生と合流しました。ネイチャースタジオと東遊園地内のUrbanPicnicの運営も手掛けるリバーワークスの園芸家藤田毅さんにご案内・解説いただきました。また神戸のまちのみどりの話「Living Nature Kobe」の取り組みを神戸市役所の松下さんにおねがいしました。

昼食もUrbanPicnicのカフェで藤田さんとたくさんお話ししながら盛り上がりました。

昼食もUrbanPicnicのカフェで藤田さんとたくさんお話ししながら盛り上がりました。

あわただしく東遊園地・神戸三宮から大阪・梅田へ移動

今注目のランドスケープファーストで開発がすすむグラングリーン大阪。旧梅田貨物駅跡地の再開発で大阪駅前のグランフロントからつながる公園を中心とした街づくりが進むエリア。公園の中にまちがあるという先進的なまちづくりの事例です。今回はその基盤整備や事業推進を行う都市再生機構(UR)の嶋英二さんにご案内を頂きました。まずはURの会議室で旧梅田貨物駅跡地の再開発、グラングリーン大阪についての詳細なレクチャーを受けました。

壮大な計画・ランドスケープの考え方を聞き、でっかい模型で確認しつつそれではグラングリーン大阪へ出発です。

神戸・大阪へは4つの班が参加し、グラングリーン大阪の見学後解散して、さらに大阪のランドスケープスポットを見学に出かけていきました。その後の様子はInstagramをご覧ください。

最終日は貸し切りバスを利用して京都市内の庭園の見学へ。ホテルをチェックアウトし、荷物をまとめてホテルの目の前の大型バスのターミナルへ。

3日目の最初の庭園見学は枯山水で有名な龍安寺とその方丈庭園。室町時代に生まれた枯山水は日本を代表する庭園様式で禅の影響を受けた様式と知られ、特に臨済宗の寺院を中心に京都に多くの枯山水を現在も見ることができます(公開していないものも多いです)。龍安寺は朝早くいっても混雑していることが多いので朝一番で訪れたのですが、今回はすごくすいていてじっくり見学することができました。バスの運転手さんによるとこの数年猛暑の影響でこの時期はお客が少ないとのこと。

銀閣寺は正式には慈照寺、臨済宗相国寺派の塔頭寺院になります。室町幕府の8代将軍足利義政によって、彼の隠居所?東山山荘として造営されました。義政は夢窓疎石の西芳寺にあこがれて西芳寺をモデルに東山山荘をつくったと言われています。ここまでくるとみんな疲れているかなと思いましたが、結構じっくり見学し、銀閣寺のお土産コーナーや参道で抹茶ソフトクリームを楽しんだりしていました。まだまだ学生は元気でした(西川先生はかなりお疲れモードでした)。

銀閣寺の見学を終えて、お昼ご飯へ。3日目のお昼ご飯もブッフェでお腹いっぱいに。好き嫌いもあると思うので食べたいご飯を食べてもらいました。京都のおばんざいも人気でした。

西本願寺

今回、京都の花豊造園さんの計らいで西本願寺の庭園や建築を見学しました。西本願寺の担当者様、花豊造園の山田耕三常務、卒業生の坂倉圭さんに解説いただきながら、滴翠園はじめ大変貴重な空間を案内いただきました。

智積院方丈庭園

最後の研修は智積院方丈庭園を訪れました。智積院方丈庭園は江戸時代初期の庭園で桃山時代の作風が見られます。東福寺開山堂の庭園と同じような石組みや刈込など風景も見られ比較しながら見ると面白いですよね。建築の中からの見え方、縁側からの見え方などさほど大きくない庭園ですが様々な表情も楽しむことができ、学生は部屋の奥から、そして縁側に座って風景を楽しんでいました。ちなみにこの方丈庭園、少し前の大河ドラマ「べらぼう」で田沼意次の邸宅として登場し、田沼意知が築山上部から方丈をのぞき込むシーンも登場しました(西川っ先生情報)。

智積院から京都駅へ戻り、みんな自由時間でお土産やお弁当を買い込んで新幹線へ。お弁当を食べたり、おしゃべりしたり、そして眠りにつきながら博多駅までの時間を過ごしました。博多駅で団長の山田くんの挨拶があり解散しました。
3日間、猛暑の中歩いて歩いて庭園・公園・まちを見て回りました。学校の教科書や授業のパワーポイントだけではわからないことを、自身の五感を通した体験として多くを学ぶことができた貴重な時間だったと思います。また直接庭園を管理している庭師さんはじめ多くの方の話しも聞くことができたことも貴重な経験になったと思います。学外研修に関わってくださった多くの関係者に感謝申し上げます。